同じ1000万円でも、贈与なら贈与税、貸し借りなら相続税の対象。親子のお金のやりとりは、どちらにあたるかで、かかる税金が変わります。
「出世払いでいいよ」と、あいまいなまま親からお金を受け取ることは少なくありません。けれど、はっきりしないまま親が亡くなると、税務調査で、どちらにあたるのかを確かめられることになります。
この動画では、贈与が成立する条件、1000万円を受け取った場合の贈与税、返し終わる前に親が亡くなったときに貸したお金がどう扱われるかを、税理士が順に解説しています。
あわせて、相続税の基礎控除との関係、借用書と口座振込による返済、利息を付けない場合の扱い、返済を免除したときの贈与税にも触れています。ぜひ最後まで動画をみてください。
※この動画は2026年(令和8年)9月時点の税制にもとづいています。実際の判断は、ご家庭ごとの事情によって変わります。
▼贈与と貸し借りの違い
・贈与は、あげる側ともらう側の、お互いの合意で成立します
・「出世払いでいいよ」とあいまいなまま渡すと、贈与なのか貸し借りなのかが、はっきりしなくなります
・親から18歳以上の子どもへ1000万円を贈与した場合、贈与税は(1000万円−基礎控除110万円)×30%−90万円=177万円です(特例税率)
・貸し借りであれば贈与税はかかりませんが、親にとっては「貸付金」という財産になり、亡くなったときに相続税の対象になります
・どちらにあたるかは、お金の流れや当時の記録から確かめられます。あとから税金が安くなる方に説明を変えることはできません
▼返し終わる前に親が亡くなったら
・残りの貸付金は消えず、相続財産として相続人の誰かが引き継ぎます
・お母さんが引き継げば、その後はお母さんに返していくことになります
・借りていた子ども本人が引き継げば、貸す人と借りる人が同じになり、その借金は消えます
・ただし、その金額も相続財産に含まれるので、相続税がかかる家庭では税金の対象になります
▼相続税の基礎控除との関係
・相続税は、財産の合計が「3000万円+600万円×法定相続人の数」までなら、かかりません
・お母さんと子ども2人が相続人なら、4800万円までは相続税がかかりません
・この範囲に収まる家庭であれば、子ども本人が貸付金を引き継いでも、相続税はかからず、借金も消えることになります
▼貸し借りと認められるための注意点
・本当に貸し借りであることが前提です。形だけの借用書を作っても、実際に返していなければ贈与と判断されかねません
・「出世払い」のような約束は、貸し借りとは認められにくいとされています
・借用書を作るだけでなく、毎月決まった日に口座振込で返し、通帳に履歴を残しておくことが、税務調査への備えとして必須です(現金の手渡しは、返済と認められにくくなります)
・利息を付けない場合は、利息分が贈与とされることがあります
・親が生きているうちに返済を免除すると、残りの額に贈与税がかかります
・財産が基礎控除を超える家庭では、貸付金も相続税の対象になるため、贈与にした方が有利になる場合もあります
▼出典
国税庁タックスアンサー No.4420「親から金銭を借りた場合」、No.4408「贈与税の計算と税率(暦年課税)」、No.4152「相続税の計算」。
ぜひチャンネル登録をお願いします。次回の動画もお楽しみに。
【税理士・三股秀之のプロフィール】
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