税務署は、すべての口座をいつも見張っているわけではありません。ただ、きっかけがあれば、本人の同意がなくても銀行に取引を照会できます。
大きなお金を動かしただけで税務署から連絡が来る、という話を見かけます。実際に口座の動きが調べられるのは、そうした場面とは別のところから始まります。
この動画では、税務署が個人の口座を確認するきっかけを、不動産を買ったとき、相続が起きたとき、金融機関などが出す調書、申告内容に不自然な点があるとき、の4つに分けて、税理士が順に解説しています。
あわせて、不動産購入後に届く「お尋ね」への答え方、親からの住宅資金の援助で贈与税の申告が必要になること、生命保険金の支払調書、銀行照会のオンライン化にも触れています。ぜひ最後まで動画をみてください。
※この動画は2026年(令和8年)9月時点の制度にもとづいています。
▼税務署は口座を常に見ているわけではない
・税務署が持っているのは、申告の内容が正しいかを調べる権限です
・調べる必要が出たときに、銀行へ取引の照会が行われます
・照会に本人の同意は必要ありません
・2021年10月から預貯金等の照会はオンライン化が進み、以前より短い日数で回答が得られるようになっています
▼1つ目:不動産を買ったとき
・不動産を買って登記をすると、その情報は税務署にも伝わります
・年齢や収入に比べて高い物件を買った方には、「お買いになった資産の買入価額などについてのお尋ね」が届くことがあります
・購入した方の全員に届くわけではありません
・届いたときは、預金・借入・売却代金など資金の内訳を、事実のとおりに書いて返送します
・親などからの援助があった場合は、贈与税の申告が必要でなかったかを確認されます
・住宅取得等資金の贈与の非課税の特例は、使うときも贈与税の申告が必要です(国税庁 No.4508)
▼2つ目:相続が起きたとき
・相続税の調査では、亡くなった方の口座だけでなく、ご家族の口座の動きもさかのぼって確認されます
・家族名義でも、実際は亡くなった方のお金であれば、名義預金として相続財産に含まれることがあります
▼3つ目:金融機関などが出す調書
・生命保険金の支払調書:死亡保険金や満期保険金などで、1回の支払いが100万円を超えると、保険会社から税務署に提出されます(所得税法225条・相続税法59条)
・国外送金等調書:1回100万円を超える海外への送金・海外からの入金が対象です
・金地金等の譲渡の対価の支払調書:金やプラチナの売却で、支払金額が200万円を超えるものが対象です
・いずれも金額の基準が決まっているので、条件にあてはまれば必ず提出されます
▼4つ目:申告の内容に不自然な点があるとき
・収入に比べてお金の動きが大きすぎるときなどは、税務調査の中で銀行に照会が行われます
・大きなお金を動かすこと自体が問題になるわけではありません
・そのお金がどこから来て、何に使ったのかを説明できるようにしておくことが大切です
・契約書や通帳の記録は残しておきましょう
▼出典
国税庁「No.4508 直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税」、国税庁「F2-1 生命保険金・共済金受取人別支払調書」、国税庁「F4-1 国外送金等調書」、国税庁「F1-42 金地金等の譲渡の対価の支払調書」、国税庁「金融機関に対する取引照会について」。
▼目次
0:01 税務署は、どんなときに個人の口座を確認するのか
0:11 すべての口座を常に見ているわけではない
0:18 1つ目:不動産を買ったとき
1:02 2つ目:相続が起きたとき
1:18 3つ目:金融機関などが出す「調書」
1:22 いちばん身近な、生命保険金の支払調書
1:39 海外送金100万円超・金やプラチナ200万円超
1:55 4つ目:申告の内容に不自然な点があるとき
2:15 きっかけがあって調べるもの
2:24 大切なのは、お金の出どころと使いみちを説明できること
2:39 締め
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【税理士・三股秀之のプロフィール】
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