定年前後の資産運用で失敗しないための考え方と、年金の受け取り方法について解説します。
退職金というまとまったお金が入ると急に投資を始めたくなりますが、50代・60代は「リスク許容度」が低い年代です。
退職金で不動産投資を始めて空室や修繕費に悩んだり、個別株を購入して市場の下落で資産を大きく減らしたりする例は少なくありません。
知識が少ないまま投資に前向きな人は、金融機関や不動産会社から見て狙われやすい存在でもあるため、まずは自分のリスク許容度を冷静に見積もることが大切です。
そこでおすすめしたいのが、年金の繰り下げ受給という方法です。1か月遅らせるごとに年金額は0.7%増え、75歳まで10年間遅らせると84%まで増額されます。
一度増えた年金額は生涯そのまま受け取れ、繰り下げの途中で亡くなった場合も、本来受け取れたはずの年金は遺族が未支給分として受け取れるため、繰り下げたこと自体で損をするわけではありません。
税理士の立場からの注意点として、年金は雑所得として所得税・住民税の対象になり、繰り下げで年金額が増えればその分税金の負担も増えます。
国民健康保険料や介護保険料も前年の所得をもとに計算されるため、これらの保険料や医療費の窓口負担割合が変わることもあります。
増えた年金額がそのまま手取りになるわけではないので、額面だけでなく税金や保険料を差し引いた手取りベースで老後の資金計画を考えることが大切です。
