元請け会社から工事代金が振り込まれない、あるいは突然元請けが倒産した、そのような経験をされた方も少なくないはずです。
完成工事未収入金の貸倒れは、正しく処理しないと、損失が出ているにもかかわらず税務上は利益が残り、結果として税金だけを払い続けることになりかねません。
完成工事未収入金とは
工事が完了し売上を計上したにもかかわらず、まだ入金されていない代金を「完成工事未収入金」といいます。
建設業では、工事完成から入金まで数ヶ月かかることがあり、「売上はあるが現金がない」という資金繰りのズレが生じやすい業種です。
この未収金が回収不能になった場合、適切に処理を行わないと、帳簿上は黒字のまま税負担だけが発生するという非常に不利な状態になります。
貸倒損失として計上するための条件
未収金を貸倒損失として損金算入するためには、単に「回収できなさそう」というだけでは足りず、客観的な事実と証拠が必要です。主に次の3つに区分されます。
① 法律上の貸倒れ
破産、民事再生、会社更生などの法的手続きにより、債権の回収が不可能となった場合です。→ 破産手続開始決定通知書などの公的書類が証拠となります。
② 事実上の貸倒れ
相手先の資産状況や支払能力からみて、全額回収が不可能と明らかである場合です。→ 財産状況の調査資料や、取引停止の経緯などの記録が重要になります。
③ 形式上の貸倒れ
1年以上回収できておらず、継続的に督促しても支払いがない場合です。
→ 督促状の写し、内容証明郵便、やり取りの記録などの保存が必要です。
実務上の重要ポイント
・「回収努力をしているか」が税務上かなり重視されます
・口頭だけでなく、書面(内容証明など)を残すことが重要です
・貸倒れのタイミングを誤ると、損金算入が否認されるリスクがあります
まとめ
・未収金の放置は「税金だけ払う状態」を招く
・貸倒損失には明確な要件と証拠が必要
・早い段階から証拠を残すことが最大の防御策
北九州市内(小倉北区・小倉南区)、下関市で建設業を営まれている方で、回収できない工事代金の処理にお困りの方は、三股秀之会計事務所へお気軽にご相談ください。
