本ブログの内容は、執筆時点での法令等に基づいています。
「社長が退職する際に役員退職金を支払う予定だが、法人税で全額損金にできるのか」「適正な金額の決め方がわからない」
北九州市内の中小企業でよくある悩みです。今回は役員退職金の税務上の扱いを解説します。
役員退職金が損金算入されるための要件
役員に対して支払う退職金が法人税の損金となるためには、主に次の2つの要件を満たす必要があります。
第一に、役員としての地位や職務が実質的に終了しているという「退職の事実」があることです。形式上の退任だけで実質的に経営に関与し続けている場合は、退職金として認められない可能性があります。
第二に、在任中の功績や役員在任期間、報酬水準などに照らして「不相当に高額でないこと(適正額)」です。この要件を満たさない場合、過大と判断された部分については損金算入が否認されます。
適正な金額の基準:功績倍率法の活用
役員退職金の適正性の判断において、実務上よく用いられるのが「功績倍率法」です。
一般的には最終報酬月額 × 功績倍率 × 在任年数という算式で算出し、この金額を目安とします。
功績倍率は役職ごとに異なり、社長:2.0〜3.0程度、専務・常務:1.5〜2.5程度といったレンジが参考にされることが多いです。
また、役員退職金規程の整備があるかどうかも重要な判断要素となります。規程がないまま恣意的に高額な退職金を設定すると、税務調査で否認されるリスクが高まります。そのため、事前に役員退職金規程を整備しておくことを強くおすすめします。
北九州市・下関市で役員退職金の制度整備や税務対応にご不安がある方は、三股秀之会計事務所までお気軽にご相談ください。
